前回の記事で、【夏休み学習計画のたて方】「宿題やったの?!」と言わずに過ごせる4つの手順についてご紹介しました。
正直言って、計画をたてるだけでも大変ですが、実はこの後の方が大人にとっては試練の時です😁。
仕事柄、より多くの子供達と過ごしている教師なら、その子によって上手くいく方法が違うことや、全てが上手くいくとは限らないということを身をもって体験しています。(・・・のハズです😓)
一方、保護者の方にとっては、「計画を絵に描いた餅で終わらせない方法」は、ご自分が身につけてきた方法が一番身近です。
それを目の前のお子さんに当てはめた時、思うような結果が得られず、うまくいかない時に
どうしたらいいんだよ!!!
と不安に感じたり、キレたりしたくもなるのも当然です。
私もそういう時期が長く、自己嫌悪に陥り、教師に向いていないのでは・・・と落ち込むこともたくさんありました。
大丈夫!みんな悩んでいます。
今日は、前回に続き、夏休みの学習計画をたて、ゴールを迎えた時に、
よく頑張ったね!自分でできたね!
のようなポジティブな声かけをしてあげられるための5つのコツをご紹介します。
【夏休み学習計画のたて方】「よく頑張ったね!たてた計画が自分でできたね!」と褒めてあげられる5つのコツ【小学校保護者の方向け】
もくじ
1 まずはゴールをイメージする
2 「よく頑張ったね!たてた計画が自分でできたね!」と褒めてあげられる5つのコツ
まずはゴールをイメージする

夏休みが終わる日(ゴール)、お子さんがどんな状態でいたら褒め言葉をかけてあげられるでしょうか。
仮でもいいので、ちょっとイメージしてみてください。
決めた時間に、自分から宿題に取り組んでいれば褒められるわ!
ちょっとくらいは声をかけたとしても、集中して課題に取り組んでいればOK!
このくらいのイメージでOKです。
次に考えていただきたいのは、そのイメージ通りのお子さんの姿になった時、どんな褒め言葉をかけてあげられますか?
いやいや、四六時中家に子供がいたら、叱ることばっかりで褒めるなんて無理!
そうです。その通りです!
ですがそこはポイントを絞って褒めるところを捻り出しましょう😁
例えばこんな感じです。
ボクは普段から家の人に宿題やったの?とか言われずに取り組むことができるよ。
この子の場合は、たてた計画を進めていくことは難なくできるので、課題の定着がしっかりできているようなら、そこにフォーカスして褒め言葉をチョイスする、といった具合です。
例えば・・・
毎日続けて取り組むことができたね。
本当によく頑張ったね。
わり算が苦手だって言ってたけど、あまりのあるわり算や文章題も正確に解けるようになったね。
苦手なことが乗り越えられるなんてすごいなあ。
お父さんも頑張らなきゃな。
もし、言葉で伝えることに抵抗がある場合は、計画が書かれた紙やカレンダー、また、取り組んだプリントやワークなどに言葉を添えてもいいでしょう。
では、次のようなタイプの子には、どんな褒め言葉がかけられるでしょう。
私は勉強の計画をしても、つい遊びに夢中になって決めた時間にできなくなっちゃうの。
家の人に「やりなさい!」って言われてからやることが多いのが悩みです。
この子のようなタイプが最も多いのではないでしょうか。
タイプと言っても、一人一人課題は違ってきます。
もし、この子が家の人に言われた後、集中して取り組むことができ、内容理解も伴っているのであれば、この子の課題は「自分から取り組むこと」になります。
しかし、言われた後、結局は大人がついていないと集中が続かない場合は、他の手立てが必要です。
もしかしたら、1分、2分、3分などの短時間で区切って「タイムプレッシャー」を加えるだけで集中できるかもしれません。
それも難しいようであれば、ここは大人が付きっきりで取り組むことが必要です。
その時は、学習内容の理解にフォーカスして、褒める回数を増やし、やがては自分から取り組めるように段階を踏んでいきましょう。
1分間で○問できるようになったね。しかも全部正解だね。力がついたね!夏休みの間、1分間はお母さんが見ていなくても、自分の力だけで取り組めるようになったね。よく頑張ったね!
大切なのは、お子さんの実態に合ったゴールイメージをもつことです。
決して大人の理想のゴールイメージではありません。
お子さんの今の実態によっては、片目どころか、両眼を薄目にして見てあげてもいい場合もあります。
ざっくばらんに言えば、
普段のこの子の様子からしたら、ちょっぴりでも頑張ったんじゃないかな。
という事実があるならば、そこを具体的に褒めてあげればいいのです。
子供達の小さな成功体験が、どれだけ価値あるものかを伝えられるのは大人の役目です。
嘘をつく必要はありませんが、褒める言葉を選ぶ時は、一人一人の子供達に合わせてかけてあげたいものです。
以上のように、夏休みが始まる前やスタートした初期の段階で、お子さんの「こんな取り組み方だったら、こんな褒め言葉をかけてあげられる」というイメージを大人側がもっておくと、仮にイメージ通りにいかなかったとしても、心の余裕をもって対応できるのではないでしょうか。
「よく頑張ったね!たてた計画が自分でできたね!」と褒めてあげられる5つのコツ

かこみ①1日の量を決める②いつ、どこでやるかを決める③わからない問題があった時の対応策を決める④集中するための環境づくり⑤軌道修正は当たり前
①1日の量を決める(時間で区切るのではなく、量で区切る)
大切なことなので繰り返しますが、どんなこともお子さんの実態を見極めて決めましょう。
つまり、お子さんの1学期の学習内容の理解度によって、取り組む量を決めるのです。
場合によっては、宿題のワークの全てをやる必要はない、と私は考えます。
理由は次の通り。
●1学期の学習内容を理解している割合が、7割以下の場合、そこでの学習内容よりも、前の内容をやり直す必要があるから。
(これは別に悪いことではありません。理解するという行為は、一人一人の人間によってタイミングがあり、1度に1つの方法で理解するのは有り得ないということです。)
●全てをやらせようとした時、それは単なる苦行でしかなく、ますます嫌になるばかりだから。私は特に高学年を担任している時は、20問の問題があったら、その子と相談しながら「やる問題」「やらなくていい問題」に分けて取り組ませていました。
計画をたてる時は、とかく未来の自分に期待しがちです。
でもそこはあえて、可能な量の6、7割に抑えておきましょう。
「まだできる」「もっとやりたい!」くらいで終えるようにした方が、次の日もスムーズに取り組むことができます。
②いつ、どこでやるかを決める
習慣化に関する書籍はたくさんあります。
どの本にも書かれているのが、
新しい習慣を身につける時は、既に身についている習慣とセットで行えるようにすると身につきやすい。
ということです。
例えば、
●朝ごはんを食べる前に宿題のワークに取り組む。
●学童に行く前にワークに取り組む。
おすすめしないのは、夕ご飯の後に取り組むなどの、夜のリラックスタイムに行うことです。
日中好きなことに取り組んだ後、そこから「ヨイコラショ」と重い腰を上げるのは、大人でも難しいことです。
できるだけ朝の早い時間帯に、お子さんが決めた場所で行えるようにすると、遊びと学習の境目ができて取り組みやすくなります。
③わからない問題があった時の対応策を決める
お恥ずかしい話ですが、私が子供の頃算数のわからない問題があると、だいたい次のようにしていました。
●適当にそれっぽい答えを書いて、答え合わせの時に答えを写す。
●スキあらば答えを見て写し、何食わぬ顔をして丸をつける。
結局は分からずじまいなので、この方法にメリットがないことに成長と共に気づいていきます😁
その時の心理は、
早く終わらせたい。別に問題が分からなくてもいいから、早く遊びに行きたい。
でした。
教師時代に出会った子供達の中にも、私の仲間😁にたくさん出会いました。
その子たちもやはり、
早く終わらせて遊びたーい!
と言っていました。
100点はとりたいけれど遊びたい。
早く宿題を片付けたい。
本能との戦いですね😉
だからこそ、分からない時の対応策を予め相談しておきましょう。
例えば、
●近くに大人がいる時は、必ず聞いて教えてもらう。
●教えてくれる人がいない時は、付箋を貼って後から大人に教えてもらう。
子供だってわかるようになりたいし、100点もとりたい。
叱られるようなことばっかりするけど、褒めてもらいたいのです。
分からない問題があった時の対応策を予め相談しておくことで、ワークに取り組む時間が形だけではなく、中身のあるものに変わっていきます。
④集中するための環境づくり
学校であれば、強制的に取り組まざるを得ない状況になります。
仲間もいるし、手を変え品を変え、興味をひいて授業をする教師もいます。
夏休みに入ると、そこが一気になくなります。
学習する強制力が弱まります。
しかもテレビやゲームなどの誘惑もあります。
では、どうしたら決めたことを継続できるようになるのでしょうか?
それはこれまでお話ししてきたように、取り組むハードルをできるだけ低く設定することです。
●1日に取り組む量を、「えっ、これだけでいいの?」と拍子抜けするくらい少なくしてあげる。
●「ここまでの問題を1分でできるかな?」とタイムプレッシャーを与え、できた時に達成感を味わせる。
●子供達の視界から、誘惑になりそうなものを取り除く。
●毎日可能な限り、同じ時間、同じ場所で行えるようにする。
これらの仕組みを整えてもなお、できないのが子供だと思っていた方が、大人の精神衛生上いいのではないかと思います😉
⑤軌道修正は当たり前
最後の5つ目です。
これまで繰り返し、
1回どころか、そんな簡単には上手くはいかない。
とお伝えしてきました。
今回は夏休みの期間が短いので、気づいたら終わってた・・・ということにもなりそうですが、これは夏休みが終わった後も、使える力なので、長い目で見ていきましょう。
「学習計画をたてる」「たてた計画を実行する」「自分に合うように軌道修正する」力は、人生においても欠かすことのできないものです。
子供達にとっては、中学校に上がった時、中間、期末試験に向けて、自分で計画をたてて学校に提出することもあります。
それはやはり、「計画をたてる」などの力が、その発達段階で求めらるということです。
中学生になってからでもその力は身につけられるとは思いますが、小学生の段階でトライ&エラーを繰り返しながら上達することで、何よりも「学習へのモチベーション」が上がり、「自己調整力(自分の学習状況を把握し、学習の進め方を試行錯誤していく力)」が身につく点で、経験を積むことが子供達にプラスに働いていくことでしょう。

今日は以上でおしまい。
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