こんにちは、junjunです。
初任者の頃は、よく授業をつぶして子ども同士のケンカの仲裁をしていました。
授業は進まないし、仲裁に入っても子ども同士は納得しないし、踏んだり蹴ったりでした。
〜悩み〜
休み時間が終わった。あれ?ふくれっ面で教室に入ってきた子たちが数人。
ああ、なんかあったんだなぁ・・・ああ、また授業をつぶして話を聞かなきゃいけない。
それで丸くおさまればいいけど、互いに言い分を曲げないから収拾がつかないんだよね。
どうしたら授業をつぶさずに、互いの非を認め合って解決できるようになるのかな?
結論
解決するのは先生じゃなくて子ども。あくまでも教師は交通整理役に徹する。
今日は、教師も子どもも、トラブルを互いに納得して解決できるようにする、その解決法を説明します。
目次
●事前にやっておくこと
●コトが起きたらやること
●事後にやること

事前にやっておくこと
次の3つを事前に指導しておきます。
①トラブルはあたり前
②トラブルはチャンス
③自己申告
この3つを、新年度の学級びらきのどこかで、トラブルが起きる前に子どもたちに伝えておきます。
また、これらを最初の懇談会で保護者の方にもお知らせし、担任の対応の仕方を事前に理解していただく必要があります。
とはいえ、実際の場面では保護者の方も焦って感情的になることもあるかと思いますが、どちらにせよ、「子どもも教師も保護者の方も一緒に成長していく」という点では、知らせておくに越したことはありません。
✅3つを解説
①トラブルはあたり前
人間みな未熟者同士。
オトナだってトラブルがあるんです。
ましてや子ども同士ならあたり前。
幼い頃からの経験によっては、他者と衝突せずに小学校へ入学・・・という子たちも大勢います。
発達段階に応じたトラブルの例を出しながら、対処のアイデアを話し合うのも免疫をつけるのにいいかもしれません。
②トラブルはチャンス
人生上手くいかないことだらけ。
子どもたちの目の前には、転んでしまいそうな「石ころ」が転がっています。
オトナたちが子どもたちが転ばないように、キレイに「石ころ」を掃いて地面をならしてしまったら、いつになったら子どもたちは「石ころ」をよけたり、つまずいても立ち上がったりする練習をするのでしょう。
生きている限り、人間にとってトラブルはチャンスだと私は考えます。
でも、存分にあからさまに失敗できるのが子ども時代のトラブルです。
こういったことを子どもたちや保護者の方に伝えます。
③自己申告
トラブルには2種類の原因があります。
1つ目は、偶然が原因。
廊下を互いに歩いていたのに、ちょっとした拍子でぶつかってしまう。
2つ目は、故意が原因。
自分かわいさに、叱られたくないがために、ついウソをついてしまうことが原因でモメるトラブルです。
2つ目の場合、予め教師にその旨を自己申告することができたら「叱らない」ことを約束しておきます。この約束があるかないかで解決時間が大幅に違ってきます。

コトが起きたらやること
重要なのは、「教師は現場を見ていない」ということに基づいて対応することです。
つい先入観で対応してしまうことはありませんか?
私はよくありました😓
とんでもありません!やっちゃダメです。取り返しのつかないことになります。
✅時間はかかっても「話を聞く」
「話を聞く」これに徹することです。
その時便利なのは、話を「見える化」することです。
紙、ホワイトボード 、黒板・・・必要に応じて使い分けます。
時系列に分けて書いていくと、低・中学年の子たちにとっては、話を整理しやすいです。
この頃の子たちは故意ではなく、話しているうちに本当にワケがわからなくなる・・・ということがよくあります。
いつ、どこで、だれが、何をどうした・・・これらを、時にはその場所に行ったり、手が出てしまったなら実際に教師に向かって実演させながら事実を把握していきます。
大切なのは、今は教師が交通整理をしているけれど、いずれは自分たちで交通整理ができるようになるのが理想だということです。
正しいことが通る環境と「まあ、しょうがないか!」と互いに大目に見合える大らかさを教室の中に育てたいものです。
✅名人に学ぶ
私は自分の苦い体験を通して身をもって学んできましたが、下の本を読んだ時、
「尊敬する田中博史先生もここまでするんだ!」とやはり冷静な判断が必要なことを改めて学びました。
田中博史先生は、筑波大学附属小学校前副校長で、算数授業名人として日本に限らず世界的にも有名な方です。
私は算数の専門ではありませんが、田中先生の授業を参観し、算数のおもしろさに気づくことができました。
では、名人のクラスにはトラブルは起きないのでしょうか?
そんなことはありません。
田中博史先生曰く、「トラブルは自分から探しに行こう!」
事実を知っていれば指導もしやすい。だって誰がウソをついているか、全てわかっているのですから。
「へぇ・・この子はこういう反応をするんだ」
全て手に取るようにわかります。
だからといって、「ウソをつくな!」と一喝しても効果はなく、ますます隠れて良からぬことをするだけ。
それよりも、時を見計らって「えっ!先生、ホントのこと知ってるの?」とボンヤリ思わせる方が効果がある。ということでした。

事後にやること
2つを意識します。
①様子を見守る
②必要に応じて連絡
説明します。
①様子を見守る
トラブルを起こした両者の様子を見守ります。
今回がたまたま起きたものなのか、それとも互いの相性によるものなのかを見極めます。
相性によるものなら、長い目で見ながら子ども同士に自分のクセに気づかせるようにしていきます。
「なにがトラブルのモトになるのか?」
全ては問題解決学習です。解決するのは教科学習だけではありません。
日常にこそ解決すべきことがあります。
②必要に応じて連絡
これも最初の懇談会でお知らせしておきます。
「どういった場合にご家庭へ連絡をさせてもらうのか」これを明らかにしておくと、保護者の方に心の準備をしていただけます。
私は次の2つに該当する時は連絡を入れるようにしています。
●ケガがあったとき
●トラブルの大きさ・・・トラブルが大きいと、他の子や他の保護者の方から当事者の保護者の方の耳に情報が入る可能性があります。「えっ?!そんなことあったの?」と驚かせてしまいます。そんなことにならないように、事前に連絡を入れておきます。
学校からの電話を受け取った保護者の方の気持ちとしては、
「えっ!?なに?」と不安感いっぱいなのですから。
まとめ
「喧嘩両成敗」
「子どものケンカに親は口を出すな」
私が初任者の頃は、まだこういった空気が学校、地域にありました。
でもいつからか、そんな空気はなくなりました。
子どもだからトラブルがあるに決まってる。
さっきまでケンカしてたのに、もう一緒に遊んでいる。
そんな姿は昔も今も変わりません。
でも、子どもたちを取り巻くオトナの捉え方が変わってしまったのです。
「力強く自分の足で立ち上がり、歩んでいけるようになって欲しい」
そのためにも、子どもたちにトラブルを経験させてあげませんか?
上手くいかない体験が、明日の教師のエネルギーです。
まずは6割目指して!
Let’s Have Fun!!