こんにちは、junjunです。
10年以上前に野中信行先生の著書を読んで以来、クラスのシステムに「一人一役当番活動」と「会社活動」を取り入れてきました。
お陰様でクラスに活気が出てきました。
当番の仕事をついうっかり忘れちゃう子がいるんだよね。
どうしたらそんな子たちに自分から「やらなきゃ!」って自覚をもたせてあげられるようになるんだろう?
その方法が知りたいです!
こんな悩みにお答えします。
【教師の悩み】当番の仕事を忘れてしまうあの子へのアプローチ【手順は5つ

もくじ
●当番の仕事をうっかり忘れちゃうあの子が、「あっ!」と思えるようになる手順は5つ
●「おもしろいこと やりたい!」を満足させる
当番の仕事をうっかり忘れちゃうあの子が、「あっ!」と思えるようになる手順は5つ

5つの手順
①「あなたはどうしたい?」「私にできることは?」
②「仕事の内容はわかってる?」
③「思い出せるようにするには?」
④第1回成功!その後の見守り方
⑤最終手段
解説します。
✅ ①「あなたはどうしたい?」「私にできることは?」
まずは子どもに質問を投げかけます。
当番の仕事、忘れちゃうね・・・これからどうしたいの?
ちゃんとできるようになりたいです。
そうなんだ。ちゃんとやりたいんだ。
でも、忘れちゃうんだね。
はい・・・
ボクにできることある?
この後に続く会話は様々です。
例えば・・・その1
自分で忘れないように頑張ります。
こういった場合は、
そうなんだ。自分で頑張ろうとするんだね。その気持ち、立派だね。応援するよ。
例えば・・・その2
ボクにできることある?
仕事をする時に教えて欲しいです。
以前、この返事を聞いた時、「それじゃ、自分の力じゃないだろ?」と心の中でツッコミを入れてしまったのですが、この子の発達段階からすると、今はそういう時期なのだということです。
学校外で、「仕事を任される」「責任を果たす」などの経験がなければ、その子にとっては「声をかけられながら進める」ことも必要なのでしょう。
子どもによっては、「目新しいお手伝いはやりたいけど、馴染んだお手伝いは飽きたからやりたくない」という子もいます。
この辺りをよくよく見極めなければいけません。
陰日向なく地道に仕事を継続している子にもスポットライトが当たるように。
学校教育の目的は、子どもたちの「自立」です。
今は当然できてない。
でも、「それに向けて練習を積んでいる過程」と見方を変えれば、できてない状態に目をつり上げることもないでしょう。
✅ ②「仕事の内容はわかってる?」
①の質問の後、次のように聞いてみます。
ところで・・・どんな仕事をするかわかってる?
クラス替えがあれば、新しいクラスのシステムに慣れるまでに時間がかかります。
いくら当番を決める際に、内容も確認したからといって、全員の子たちが把握しているとは限りません。
2、3学期も同様です。
え〜っ!?だって1学期にA君が同じ仕事をやってたでしょ?何やってたか知らなかったの?
なんてことがよくあります。
「当番の仕事を実行していない」結果の裏側には、次の原因が考えられます。
●仕事をいつ、どこで、どのようにやるのか、そもそもわかってない。
●うっかり忘れる。
●故意にやらない。
その子が「仕事をやらない」原因を把握した上で対応しましょう。
✅③「思い出せるようにするには?」
上記の会話の続きです。
例えば・・・その1
自分で忘れないように頑張ります。
こういった場合は、
そうなんだ。自分で頑張ろうとするんだね。その気持ち、立派だね。応援するよ。
この後、その子の実態に応じて次に投げかける言葉を選びます。
もし、「ここはこの子にチャレンジさせてみよう!」というのなら、そのまま任せるのもいいでしょう。
一方、このパターンを繰り返している場合は、
じゃあ、仕事をすることを思い出せるように、どんなことをしたらいいかな?
と具体的な行動目標を設定していきます。
子どもたちは、自分が見たもの、聞いたものを手がかりにしてそれをお手本にします。
友だちが、メモをすることで何かを思い出すようなことをしていれば、それを真似するでしょう。
家の人が手にペンで書いて、思い出すようなことをしていれば、それを真似するでしょう。
つまり、iPhoneのリマインダー機能を何にするか?ということです。
これは、我々オトナの「仕事術」と同じで、ネタを知れば世界が広がります。
子どもたちが知らなければ、教えてあげましょう。
✅④第1回成功!その後の見守り方
ここまでで、次の状態になっています。
●「自分で忘れないように頑張る」と決めた子。
●自分で決めた忘れないための仕事術を選んだ子。
●「先生や友だちに声をかけてもらって仕事をする」と決めた子。
この状態までくれば、99%は成功が約束されます。
その場合は、1回の成功をお祝いしましょう。
できるだけ他の子を巻き込みながら・・・
「そんな1回くらいで・・・」と思うかもしれません。
そう思っているなら祝わない方がいいです。
子どもは見透かします。
でも、できなかったことができたんです。
まだまだヨチヨチ歩きかもしれないけれど、自分で一歩を踏み出したんです。
一方、まれに「え~~~~っ!」ということもあります😅
仕方ありません。
その子の実態です。
また、
どうしようか・・・
と相談にのってあげましょう。
✅ ⑤最終手段
ここまでくれば、あとは見守るだけです。
「やった!」「記録更新!」「え~!残念!今度こそ!」と可能な限り声をかけます。
それでも・・・の最終手段です。
歌いましょう。
笑顔で・・・♫
♫「ぞうさん」のメロディで♫
とうばん、とうばん、わすれてしまうのね
そうよ にんげんは わすれるの~
とうばん とうばん わすれてしまうのね
でもね にんげんは 学ぶのよ~♫
笑顔で、全体に向けて、誰に向かって熱唱しているのかわからにように。
「おもしろいこと やりたい!」を満足させる

ここまでのお話は、「一人一役 当番活動」についてでした。
この活動のねらいは、
①クラス内で一人一人が役割をもつことで居場所をつくる。
②それぞれの持ち場で一人一人が責任を果たす経験をする。
つまりぶっちゃけていうなら、
「興味はないけど、みんなで生活するにはやらなきゃいけないことでもやらなきゃいけない」
ことをやるということです。
そこには、工夫によって面白さを味わうこともあるでしょう。
でも、自分が選んだものではないものもある。
そこで、野中先生の著書にも書かれている「会社活動」が、その穴を埋める役割を果たしてくれます。
会社活動
別になくても困らない。でも、その会社があると「自分もみんなも」楽しくなれる活動。
今のクラスの会社活動には、次の会社があります。
●漢字ミニクイズ会社
●なわとび会社
●お笑い会社
●ボードゲーム会社
●読み聞かせ会
●イラスト会社
●双六&ドロケイ会社
●カードゲーム会社
以前の記事で会社活動の導入方法について書いています。興味のある方は、そちらの記事や野中信行先生の著書をご覧ください。
どんな活動にも100%成功するものなどなく、唯一、教師が心がけることは、「時間を確保する」ことです。
こういった活動が、「未来の学校」に求められる一つなのだと私は考えます。

まとめ
前回の記事「叱り方」でも同様ですが、何か活動すれば必ずネガティブな反応は起こります。
当然です。
反応は様々です。
だからこそ、その反応に対する教師の反応も、段階を踏んで見通しをもっておくと心に余裕が生まれます。
こんな教師の反応が効果があったよ!というものがありましたら、コメント欄やTwitterで教えていただけるとありがたいです。
上手くいかない体験が、明日の教師のエネルギーです。
まずは6割目指して!
Let’s Have Fun!!