こんにちは、junjunです。
ウチのクラスには、「忘れ物をしたら、忘れたモノを連絡帳に書いて、伝えにくる」っていうルールがあるんです。
みんな正直に話しに来てくれるんですけど、「忘れました・・・」と言って、その後沈黙しちゃうんです。
私もしばらく待つんですけど、気づくと同じように連絡帳をもって忘れ物を伝えに来る子がズラッと並んでいるんです。だいたいどの子も同じ場面で「・・・」と沈黙しちゃうんですが、こういう時ってどうしたらいいんですか?
前記事【時代はシェア!】まだ忘れ物で叱ってるの?【教室レンタルボックスのすすめ】では、「子どもの忘れ物」への指導について、試行錯誤を繰り返してきた私がやっとたどり着いた、子どもも教師も笑顔になれる方法について解説しました。
今日はその前段階、「沈黙してしまう子たちへの対応」の悩みについて解説します。
なぜ、子どもたちは「忘れました・・・」と沈黙してしまうのか?【結論 なんて言ったらいいかわからない!】

もくじ
●沈黙のワケ
●沈黙をブチ破る!たった1つの方法
●たかだか忘れモノを正直に伝えさせるワケ
沈黙のワケ

結論 なんて言ったらいいのかわからないから。
過去の私は、随分不毛な質問を子どもたちに言ってしまいました。
「どうして黙ってるの?」
それでもその子は黙っていました。
そりゃあ、黙るしかありません。
だって、なんて言ったらいいかわからないのですからです。
「忘れた」以外に、いったい何を言ったらいいんだ?
そんな言葉にならない苦しさを味わわせてしまったと思います。
✅なぜわからないのか?
経験がないから。
えっ?じゃあ、前年度のクラスではどうだったの?
ここにも随分悩みました。
私だけなのかな?
言わせようとしている私がいけなのかな?
同僚にも「忘れ物をした時の対応」を質問しまくりました。
同じように、
「忘れました。だから明日持ってきます」
などのように、忘れた後の自分の行動を伝えるように指導しているというのです。
えっ?じゃあなんで言えないの?
私を怖がっているから?
悩みました。
その結果、そこを考えていても結論が出ないので、「言えない」事実だけに問題をフォーカスして、その解決方法を考えました。
それが次にお話しする、「沈黙をブチ破る!たった1つの方法」です。
まあ、そんな大層なことではないんですけどね・・・😁
沈黙をブチ破る!たった1つの方法

結論 練習あるのみ
以上!😁
言えなければ、言い方を教え、それを練習するだけ。
つまり、子どもたちにとって「忘れ物を伝える場面」は、学校でしか起きない、特殊な出来事なのです。
だって自分の家で、
「お母さん、〇〇忘れから弟に借りるね」
なんてシチュエーション、起こらないないですよね。
家の人に叱られる事をして、「ごめんなさい」ということは経験があるので、
「先生、教科書忘れました。ごめんなさい。」
と言える子が過去に何人かいた事を考えると、やはり経験がモノをいうことがわかります。
じゃあ、「忘れました・・・」の後に、「だからどうするのか?」について言えるように経験値を上げるには、忘れ物をするしかない!ということになります。
さすがにそれは実現が難しいので、練習の場面を作ってあげればいい、という結論が導き出せます。
✅具体例をあげて解説

①年度当初、誰かが忘れ物をしたタイミングで、「忘れ物ミニレッスン」を実施。
②マニュアルを音読
③代表の子と担任との会話を見て学ぶ
④ペア練習
①年度当初、誰かが忘れ物をしたタイミングで、「忘れ物ミニレッスン」を実施。
新しいクラスがスタートし、最初はどの子も緊張しているので、それほど忘れ物はありません。
少し時間がたった頃、誰かが忘れ物をしたタイミングでミニレッスンを開始します。
さっきね、A君がとっても上手にノートを忘れた事を話してくれたんだ。
私はA君のこと、勇気があって賢い人だなって思いました。理由は・・・〇〇〇〇〇〇・・・
みんなはA君のように、忘れ物をした時にお話しできるかな?
まあ、こんな感じの内容を、学年に応じて言い方を変えながら伝えます。
②マニュアルを音読
画像のマニュアルは2年生のクラスで使ったモノです。
これも発達段階に応じて、考えさせたい場面を空欄にするなどして、全体で話し合いながら「ああ、こんなふうに言えばいいんだ」と安心感をもってもらえるようにしていきます。
セリフが決まった後は、国語の音読のように練習します。
こんな音読したことないよなぁ
なんて、高学年の男子たちが笑いながら言っていたのが印象的です。
③代表の子と担任との会話を見て学ぶ
パターンがわかったら、実地練習です。
「誰かモデルをやってくれる?」
と聞いて手をあげてくれる子は、たとえ上手くいかなくても打たれ強いので、ここは立候補で挙手してもらいます。
代表の子に前に出てもらいながら、マニュアルにない忘れ物をした時の場面をこちらで急遽設定し、どう伝えたらいいのかを他の子に見てもらい学びます。
「そうくるか!😁」と言った切り返しもあって、ここまでくると「忘れ物」の場面が、残念な場面ではなくなってきます。
④ペア練習
2、3人の代表練習の後は、座席の隣同士でペア練習をしていきます。
忘れた子を演じる子も、表情は笑顔です。
ひとしきり練習をした後は、
「これで明日から忘れ物をしても大丈夫だからね」
「もし、言い方を忘れたり、なんて言ったらいいかわからなかったら、教えてくださいって言えば大丈夫だよ」
と言って、再度安心感をもってもらえるようにします。
たかだか忘れモノを正直に伝えさせるワケ

私が、わざわざ練習時間を確保してまで、子どもたちに「事実を伝える」力を身につけて欲しいと願う理由は以下の2つです。
●いつでも子どもたちに清々しい朗らかな気持ちでいて欲しいから。
●自分がピンチを迎えた時、素直に事実を伝え、助けを求めることができる強さを持って欲しいから。
嘘をついてしまい、いつバレるか不安な状態でい続けるような時間を子どもたちには過ごして欲しくありません。
時にはそういったこともあるでしょう。
でも、「事実をごまかす」悪しき習慣は身につけて欲しくない。
オトナは、子どもたちに幸せになってもらう手助けをするのが仕事です。
たかだか「忘れ物ごときで」と思われるでしょうが、学校は子どもたちにとって「社会の入り口」です。
限られた空間で、練習する場なのです。
跳び箱が跳べるようになるのに、ただ、5段の跳び箱に向かって走るだけでは跳べるようにはなりません。
複数の跳び箱を用意し、自分に合った練習場所を選びながら、できる事を増やしていくのがセオリーです。
できなければ、練習するだけです。
忘れ物をして、なんて言ったらいいかわからなかったら、言い方を伝え、練習する時間を確保してあげればいいのではないでしょうか。
今日は以上で終わりにします。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
上手くいかない体験が、明日の教師のエネルギーです。
まずは6割目指して!
Let’s Have Fun!!